魔鏡のお話

魔鏡

 

字面としてはなんとも…。でも捉えようによっては「冴えない自分の顔を魔の力でラーメン・つけ麺・僕○○」に変換してくれそうな…。

でもそんなことを書いてる時点でお里が知れる。

 

そんな魔鏡なるものを製作しているのが、今回訪れたこちら。

「山本合金製作所」

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看板が渋い。

創業は江戸末期の慶応二年。

ん!?

江戸末期…慶応二年…。

 

「それっていつごろ?」

「だから、慶応二年。江戸末期。」

「ん?」

 

って感じです。

言われてもピンとこないという自分の無知さよ…。

 

魔鏡は古くは紀元前1世紀の前漢頃から存在したんだとか。

銅製のものが主だが、当時は青銅製。

今のような鏡が出来る前は青銅や銅が主だったようです。

日本書紀にはイザナギが左手で白銅鏡(みますのかがみ)を持ったとき、天照大神が生まれたとか。

 

すげーな神って…。

 

いろいろうんちく垂れたけど。とりあえずどういうものかというと、こういうもの。写真はペンダント。普通の手鏡や置き鏡もあり。

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ちなみにこれは鏡面側ではない。

鏡面は普通の鏡。

でもそこに光を当てて壁に投影すると、すると…すると…!!??

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なんと文様が浮かび上がるんですなあ!!

何とも不思議な鏡。

原理としては、鏡面に微妙な凹凸をつけて文様を刻む。あまりに微妙な凹凸のため意見すると普通の鏡面に見える。その凹凸に光が当たることでその陰影で文様が浮かぶ。

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17世紀には隠れキリシタンの方々の心のよりどころになったとか。鏡面にマリア像やキリストを刻印していたとか。そういった歴史もあり、2014年に当時の安倍首相がローマ法王に魔鏡を送っています。それを製作したのがここで紹介している山本合金製作所の4代目が製作したそうです。

 

魔鏡というインパクトのある名前ですが、人々の心を救ってきた技術でもあるんですね。

 

京都という場所は職人の街。都があったおかげでいろんな技術の集積地となっている。これからどんな職人に出会えるのか楽しみだ。